U480杯レポート「シザリガーがとまらない」

執筆:ザキ

0. U480杯とは
合計種族値480以上のポケモンを使用せずに6体の
パーティを組んで戦うバトル。バトルルールは
シングルバトルのフラットルールとなる。
使用禁止ポケモンは合計種族値480以上の
ポケモン、メガストーンまたは進化の奇石を
持たせたポケモンコスモッグコスモウム、Lv.20以上のヨワシ、特性がムラっけ、ばけのかわのポケモンとなる。それならばU479杯になるという意見は無視。

1. 事前考察
ここでは私自身がこの大会が始まる前に考察した
ことについて記述する。
この大会の環境は普段のシングルレートとはかなり異なる環境になるはずである。
順に考察する。

1-1. 「攻め」、「受け」ポケモン
私が想定した、打点の取れるポケモンは、
マリルリ、Aガラガラ、オニシズクモホルードオオスバメチャーレムシザリガー
マッスグマジヘッドコータスピカチュウ
そして受けとして優秀なポケモンは、
モロバレル、ラッキー、エアームドママンボウモンジャラグライガーサマヨール

1-2. 「嵌め」ポケモン
「嵌め」、および「特殊戦術系」で主に挙げられるのは、ソーナンスメタモンヤミラミ
ビビヨンキノガッサゴチミルヌケニン

1-1、1-2で挙げたポケモンで組まれたパーティが
スタンパとして猛威を振るうと考えられる。

1-3. ギミックパーティ
1-1のアタッカーは鈍足が多いため、
トリックルームパーティが優秀だと考え、多くが
使うのではないかと考えた。
サマヨールフレフワンカクレオンなどを見たら警戒することにした。
天候パーティについてはペリッパーコータス
使えるが、天候エースがパッとしないため対策は
切った。唯一霰パーティがAサンドパンアマルスで組めるため、使用者はいると考えた。
そしてギミックパーティで最も警戒したのが
バトンパである。イーブイバトンと有名な引継ぎ先のネイティオが今回使用できる。これを決められると止めるのは相当厄介であるため警戒しなければ
ならない。バトンではなくても壁展開やおきみやげから積まれると厄介なポケモンは、
ココロモリビーダルメテノアブリボン
などを考えた。

1-4. Sライン
今回は、レート環境と大きく違うことがある。
それがSラインである。
今回強力なアタッカーは軒並み鈍足である。
130族というレート環境では重要なラインがない。先ほど挙げたオオスバメでも125族である。
したがって実数値194を一つのラインとして
調整することにした。
また、今回の相手は私よりもシングルレートの
強者たちが参加する試合である。このSラインに
ついては私よりも凝り固まった固定観念があると
考えた。簡単に言えばAガラガラやオニシズクモを準速や最速にしないだろうし、調整するにせよ
無振り50族抜きのいたちごっこだろうと考えた。

1-5. 技
めざめるパワーについて、今回のルールは氷や炎はほとんど役割が持てない。
今回需要の高いめざめるパワーは飛行だと考えた。めざめるパワー以外にも氷技、炎技の需要は
大してなく、三色パンチも雷パンチの需要が高いと考えた。他に、物理アタッカーが多い今回のルールだが、すべて特性や持ち物で火力を底上げしているポケモンであることを考えるとイカサマはあまり 刺さらないと考えた。

1-6. タイプ
今回のルールでフェアリータイプ及び電気タイプにまともなポケモンがいないうえに、どちらも環境
トップメタのモロバレルに隙を作ってしまう。
今回の大会ではこれらのタイプが弱いため、
水タイプや悪タイプが相対的に強いと考えた。

1-7. 参加者
今回の大会参加者はレート2000達成者や
最高レート1900台など強者が多い。
対して私の最高レートは1700台の弱者であり、
この企画発表時は半年ほどまともにレートに潜っていない状態だった。実績的には圧倒的に不利であるがここにも活路を見出した。
前述したが、相手がレート環境に慣れている以上
このルールでのS調整は不慣れだろうし、もっと
言えばレート環境で使っている個体を流用するまである。そして、レート環境に慣れている以上、
ビビヨンキノガッサなどの催眠対策は
まず間違いなく怠らないと考えた。
更に言えば、強者は「レートで強い」を基準に
パーティを組むはずである。
この、「参加者が何を考えるか」を重視して、
自分はパーティを作った。

2. パーティ考察
私はバトンパーティやギミックパーティを
使い慣れていないため、手慣れたサイクルよりの
パーティを組むことにした。また、受けサイクルが流行することは予測できたため、
いかにサイクルカットをするかを重視して考えた。私のパーティは次のようになった。

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f:id:erizma_poke:20190317194453p:plainシザリガー@命の珠 適応力
意地 AS252 H4
アクアジェット/クラブハンマー/剣舞/叩き落とす

f:id:erizma_poke:20190317194251p:plainレアコイル@防塵ゴーグル 磁力
控えめ HC252 B4
10万ボルト/ボルトチェンジ/ラスターカノン/毒々

f:id:erizma_poke:20190317194304p:plainチャーレム@拘りスカーフ ヨガパワー
意地 AS252 H4
思念の頭突き/飛び膝蹴り/雷パンチ/岩雪崩

f:id:erizma_poke:20190317194318p:plainモロバレル@黒いヘドロ 再生力
図太い H236 B252 D20
ギガドレイン/クリアスモッグ/光合成/キノコの胞子

f:id:erizma_poke:20190317194331p:plainヤミラミ@残飯 悪戯心
図太い HB252 D4
挑発/自己再生/鬼火/ナイトヘッド

f:id:erizma_poke:20190317194346p:plainゴチミル@カゴの実 影踏み
図太い HB252 D4
サイコショック/チャージビーム/眠る/影分身

シザリガー
まずはここから決めた。採用理由はもちろん愛。
だがちゃんと今回のルールで強いと思ったから採用した。マリルリが環境に多いと考えたため、
マリルリを意識した型を考えた。
まずは特殊毒Z型である。H振りのマリルリならば
特化させればヘドロウェーブZで確1であり、
特殊型はまず読まれず役割破壊として強いかと
思われたが、マリルリがチョッキを持っている
可能性も考慮して今回は没となった。
次に物理型である。今回は威嚇を撒くポケモン
いないことも相まって強いと感じた。
またメガシンカ禁止であるため叩き落とすも
相対的に強くなっている。また、自分がいつも
打ち分けられない鉢巻を愛用していることは
把握されているため、今回は命の珠を持たせ、
受けサイクルを粉砕する剣舞型とした。
珠特化クラブハンマーはH振りマリルリに対して
乱数2であるため、マリルリ引きを考慮せずに殴ることが出来る。シザリガーのS種族値は55で、
これは最速で竜舞を積んでも105族抜き程度にしかならないため採用は見送った。一方でシザリガーは準速にすれば無振り85族抜き抜き(実数値107)で
あるため、今回の大会で使用できるポケモン
素早さ帯から抜けられることができるため意地ASとした。余談であるが、準速シザリガーはシングル
レートにおいてもクレセリアなどの役割対象を
抜けるため一番強い型だと思っている。

レアコイル
催眠、というかビビヨン対策。防塵ゴーグルを
持たせてビビヨンを倒す型。耐久調整を試みたが
特に確定数は変わらなかったため控え目HC。
貴重な電気打点および特殊打点であるため刺さると思った。有名なコピペのおかげでスカーフ偽装も
できるため割と自信のある型だった。
また、特性を磁力にすることでサイクルカットを
してもらうことにした。

チャーレム
通りがいいと感じたポケモンモロバレルが重いと感じたため採用。ホルードを処理するスカーフ型。意地スカーフでも実数値198となり、
194を抜けるため今回はレート環境ではタブー(?)の準速80族スカーフとした。
思念、膝、雷パンチまでは簡単に決まり、
残りは勝ち筋を最後まで追える岩雪崩を採用した。

モロバレル
今回の大会のトップメタであり、使わない理由は
ないため採用。キノガッサマリルリ
電気タイプ、雨エースなど、優秀なタイプにより
色々止められるため採用。キノコの胞子より
どくどくの方が刺さる場面が多いと考えたが
エースの無償降臨をサポートするために
キノコの胞子を採用。Hはただの3n調整。

ヤミラミ
耐久ポケモンをいじめる型。チャーレムも重かったため採用。残飯を持たせることによりギリギリ
モロバレルに殴り勝てる。あとは貴重なゴースト
タイプとしてかげふみなどに隙を作りにくくする
ために採用。唯一のバトン対策でもあった。

ゴチミル
ゴチミルの型は悩んだが起点をキャッチして全抜きを狙う型にした。

没案
エアームド
物理アタッカーのタイプ的にあまり有利をとれないため不採用。

ヤミカラス
黒い眼差しからの滅びの歌で受けを潰す型。
素の耐久が低すぎて不採用。

グライガー
物理受けとしてホルードなどを見つつギロチンで
耐久ポケモンを狩る型。特性免疫により多少は
強め。マリルリに弱いため不採用。

ママンボウ
Aガラガラを完封しつつ再生力や願い事でループ
できる。シザリガーとタイプが被ることと起点回避技がないため不採用。

ビビヨン
絶対に対策をされているため不採用。

3. 大会結果
下図1に出場者のポケモンを示した。
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図1 ポケモンとその使用者数

概ね予想通り、マリルリモロバレル(キノガッサ)、Aガラガラの三つ巴の環境となった。
私の対戦成績は10勝3敗で、総合順位は2位で
あった。順番にパーティの反省点を述べる。

シザリガー
文句なしのMVP。何故他の参加者が使用しなかったのか謎である。有利対面を作れば1体確実に
飛ばせる火力は使用していてとても爽快だった。
負けた試合のうち2回はメタモンシザリガー
パクられてボコボコにされたため、やはりシザリガーは最強。

レアコイル
ビビヨンがほとんどいなかったが、ソーナンス
いなしたり、エアームドをキャッチしたりと、
なかなかの活躍だった。相手に磁力を読まれない点も強かった。

チャーレム
技外し芸人。役割対象が環境に少なかったのと、
打ち分けられない不便さが際立った。
岩雪崩をトリックに変更すればもっと使いやすかったと思う。

モロバレル
なんやかんやで環境トップなだけあって選出率は
シザリガーに次ぐ2位。モロバレルミラーがとても不毛だった。叩き落とすのダメージ軽減や、
ソーナンス対面で困らないために草Zに変更すればよりよかったと思った。

ヤミラミ
モロバレルをPP切れにさせて勝った。使って
思ったが、数値が圧倒的に足りな過ぎた。
役割対象があまり環境におらず、選出機会はあまりなかったが、相手の選出を誘導できたため悪くは
なかった。

ゴチミル
選出機会はほぼなかった。悪タイプが環境に思ったよりいなかったことを考えるとチャージビームではなく瞑想型にしてもよかったかもしれない。
ホルードが重かったのと、一撃必殺の枠が欲しかったため、この枠はグライガーにするのがよかったと思う。

対戦相手が使っていた個人的に面白いと思ったポケモン

チリーン
巻き付く+滅びの歌型。自己再生や癒しの鈴があるため、受けサイクルを崩す性能は高い。

ルージュラ
高火力特殊ポケモンが環境にいない=特殊受け採用率が低いことを逆手に取った眼鏡トリック型。
乾燥肌により腹太鼓後のマリルリを止めることが
出来て強そうだった。

4. 感想
種族値で制限するルールは間違いなくメタモン
禁止にすべきだと思った。
あと、この大会に正式名称があって、
「Stress Free Cup」って言うらしい。でもこの大会であゆみんキッズがワンツーフィニッシュだった
時点で「Stress Free」#とは と言った感じだ。
それは置いておいて、私の相棒ポケモンシザリガーとここまで勝ち上がれたことはとても嬉しかった。パーティをしっかり練って環境をまじめに考察すれば私でもポケモンが強くなれると分かったため、これからは普段のレートで、「本気になれば
できる子だけど、本気は出さない」天才系キャラを演じていきたい。

«profile»
ザキ
Twitter: @xaki235
好きなポケモン: シザリガーフシギバナテッカグヤ
よく見る実況者: あゆみん、アシキ
嫌いな飲み物: お酒
好きなコンテンツ: マクロスうたわれるものアイマス
はじめまして、葛飾ポケモンサークル副代表のザキです。ポケサー内ではイベンター担当です。
サークルよりも声優やアニソンシンガーのイベントに主に出没します。花守ゆみりさん、鈴木みのりさん、KOTOKOさんが特に推しですがDD気味です。
周りのオタクと世代が合わないと悩んでいるそんなあなた、たぶん話が合うと思うので気軽に連絡してください。イベントとか興味ある方もぜひ仲良く
なりましょう!